〈前編〉人気ネット番組プロデューサーに伺う、ティーンを巻き込むためのキーワード

10代のトレンド ティーンに流行

マイナビティーンズが女子中高生500人を対象に実施したアンケートにて、インターネットテレビ局AbemaTVで放送していた『オオカミくんには騙されない』が好きな恋愛リアリティーショー1位に選ばれた。

今回は、番組プロデューサーである横山祐果さんに、番組づくりで大切にしていることやティーンからの反響などを伺った。そこから、「没入感」「リアル」「山場作り」などティーンを巻き込むための大切なキーワードが見えてきた。

 

 

■最終回視聴数は156万、10代女子の47%が視聴する超人気番組に成長。

『オオカミくんには騙されない』は、本気で恋愛したい女子高生と好きでもないのに好きというフリをしている“オオカミくん”が混ざっている同世代の男子複数名による、恋に落ちていくまでを追った恋愛リアリティーショー番組。話題のきっかけとなったのは“オオカミくん”という存在だ。普通の恋愛リアリティーショーと違い、嘘つきが混ざることで恋のゲーム性が高まり、話題が広まった。

 

横山:シーズン3の最終回は、総視聴数が156万と過去最高の数字でした。シーズン1から比べるとSNSなどでじわじわと話題になり視聴数も延び、聞いたことがあるけれど観たことなかった方がシーズン3で観始めたように思います。

 

実際に、マイナビティーンズが10代に絞って実施したアンケートでは対象の47%が同番組を視聴していると答えた。また地上波で放送している番組も含めて、「好きな恋愛リアリティーショー」1位という快挙だ。番組開始は、2017年2月。昨年冬でシーズン3までの放送を終えている。

 

横山:AbemaTVの開局当初は、麻雀や将棋などの番組が多かったこともあり、視聴者の大半が男性でした。そこで、女性やティーンなど若年層に楽しんでもらえる番組を作ろうという話になり、担当することになった企画が『オオカミくんには騙されない』です。

 

もともとは、『ガールフレンド(仮)』などスマートフォン向けゲームのプロデューサーをしていた横山さん。開局後間もなく、未経験であった番組プロデューサーの仕事につくことになった。課題であった「女性、若年層を取り込む」ことに対して出した答えが“恋愛リアリティーショー”だった。

 

横山:女子高生は、恋愛に一番興味がある年齢なので“恋愛もの”がよさそうだなと企画を進めました。恋愛ドラマもいいかなと思いましたが、開局時はドラマを作るにはまだ時期尚早だったので難しく、自分自身もあいのりや未来日記、テラスハウスなどが好きでよく観ていた恋愛リアリティーショーが良いかもしれないなと漠然と考えていました。そんな中で、“ティーンモデル同士のカップル”の番組が出来ないかという話があり、益若つばささんやペコ&りゅうちぇるさんのような、モデル同士のカップルの話題や興味は、女子高生にとって昔から今も変わらず鉄板ネタだという確信もあり、女子高生モデル達が出演する “恋愛リアリティーショー”に振り切りました。

番組を作っていく中で、高校生だとまっすぐに恋愛へ向き合うので、仕事など恋愛以外のこともたくさん考えなくてはいけない大人の女性とは違うおもしろさがあり、ピュアな純愛が描けるなと感じました。

 

 

■番組を盛り上げるキーワードは「没入感」と「憧れ」

ターゲットであるティーンに楽しんでもらえる企画を作ることを念頭に、番組づくりの企画を練っていった。その中で、恋愛リアリティーショーならではの反響として感じたことは「没入感」だと横山さんは話す。

 

横山:ドラマの楽しみ方と違い、リアルに恋愛をしていることもあり、出演者を身近に感じて「応援」しながら、より没入して観てくれているように思いました。たとえば、番組内で成立したカップルは人気で、番組終了後もInstagramなどで2人の動向をずっと応援してくださる方が多いんです。

 

出演者に憧れの気持ちを抱いてもらうために、肝となるのは人選だと横山さんは話す。

 

横山:ティーンが憧れを持ち、「こうなりたいな」と思いながら楽しんで観てもらえるように、モデルやシンガーなど一芸を持っていて輝いている男女に出演してもらい、映像もキレイに仕上がるように撮影・編集しました。SNSなどでもよりキレイなものを好む女子高生が憧れの視点で観てもらう、というのも番組のカラーとして大事にしましたね。

 

番組そのものがおもしろくないと、そもそも話題にならないと断言する横山さん。おもしろい番組作りを大前提に、より話題を生み、さらに没入感を高めるために戦略的に “オオカミくん”という存在を仕掛けた。

 

横山: “オオカミくん”という嘘つきがいる中で恋愛が展開していくという番組コンセプトを中心に、女子高生が出演者の恋愛を応援しながら、没入しやすくなる企画を用意しました。たとえば、シーズン3で実施した「オオカミくん投票」。視聴者がオオカミくんだと思う男子を予想して、1位の子は番組の途中で脱落してしまうという新ルールを追加しました。投票することによって、より「オオカミくんは誰だろう」と考えて出演者の恋愛を応援することで、番組を楽しんでもらえるかなと思ったんです。結果投票数は11万票でした。

 

また恋愛リアリティショーならでは、「リアルな姿を活かすこと」も番組のキーワードだと横山さんは話す。具体的にはどのようなことなのか?

 

<後編に続く。>

 

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ライター:羽佐田 瑶子
日本文化と食と寅さんを愛する87年生まれのライター(@yoko_hasada)。神奈川県出身。伝統文化、工藝、アイドル、映画など伝統文化からサブカルチャーまで幅広く執筆。Quick Japan、しごとなでしこ、SENSORSなど。好きなものは、美しくてロマンチックなもの(短歌や岡崎京子や日本民藝館)。生息地は下北沢と鎌倉。
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