〈後編〉人気ネット番組プロデューサーに伺う、ティーンを巻き込むためのキーワード

10代のトレンド ティーンに流行

マイナビティーンズが女子中高生500人を対象に実施したアンケートにて、インターネットテレビ局AbemaTVで放送していた『オオカミくんには騙されない』が好きな恋愛リアリティーショー1位に選ばれた。

今回は、番組プロデューサーである横山祐果さんに、番組づくりで大切にしていることやティーンからの反響などを伺った。そこから、「没入感」「リアル」「山場作り」などティーンを巻き込むための大切なキーワードが見えてきた。

 

〈前編〉を読み逃した方はこちら

 

 

■女子高生のリアルな姿を活かし、山場を仕掛けることで飽きさせない

恋愛リアリティーショーのため、意図しない出来事も多く起こる。予想していなかった出来事を、横山さんはどうとらえているのか。

 

横山:台本がなく全てリアルで起きている出来事を番組にしているので、どのように番組が展開していくのか、私たちも全く予想がつきません。スタッフが出演者の相談などには乗っていますが、恋愛は感情的なことなので全てうまくいくわけではないし、私たちの想定していたようにはいきません。なので、基本はリアルを受け入れることを大切にしています。作られていない方が、視聴者も反応してくれると思います。

 

リアルをそのまま流すだけでは番組にならない。YouTubeなど他にも娯楽が多くあるネット番組だからこそ、飽きずに観てもらえるような番組づくりはより強く意識しているという。

 

横山:視聴者を飽きさせないために、山場を作ることはかなり意識しています。オオカミくん投票のように「彼がオオカミくんだと思う」など、話題にしやすいルールを入れ、番組の盛り上がる部分が生まれるようにしていますね。

また、女子高生たちの恋愛が進展するように、中間告白や、第一印象で気になった子にブレスレットを渡すなど、出演者の気持ちが前に進みやすくなると同時に、視聴者も一緒に楽しめるような仕掛けや、キュンとするような出来事のきっかけは意識して用意していますね。

 

 

■拡散されるスピード感が、ティーンは早い

番組視聴者のほぼ8割はティーン、という同番組。人気番組に成長していく過程には、SNSでの拡散が中心であったと話す。

 

横山:大人よりも日常的に使い慣れているためか、ティーンの方がTwitterやInstagramなどSNSを使って広めていく勢いはすごくあるなと感じました。積極的につぶやいてくれるだけでなく、SNSでの話題への反応がいいんですよね。

 

SNS拡散を意図した戦略はあったのだろうか?

 

横山:「オオカミくんは誰だ」「だれと誰がくっつく」など、SNSで会話が生まれやすくなるような仕掛け作りは意識していました。“オオカミくん”という存在がひとり居るだけで、出演者の恋愛に興味が持てない人もゲーム感覚でSNSなど気軽につぶやきやすくなり、番組も話題にあがるようになっていきましたね。話題にしやすかったから、拡散もしていったのだと思います。

SNS上で反響がよかった内容は、番組の衝撃的な展開やカップル成立などはもちろん、出演者同士に撮っていたプリクラや自撮りの写真など、より身近なものですね。

 

番組を作る前は多少不安もあったという、横山さん。女子高生を集めてグループインタビューも行った。

 

横山:今の女子高生の気持ちを理解するために、女子高生を集めたグループインタビューを実施したのですが、今の女子高生と私が女子高生だったころの「感情」の部分はほとんど変わらないんだなと思いました。SNSやスマートフォンを使うことが当たり前になったり、漫画や映画、言葉など、流行っているものは変わっていきます。でも、彼氏が欲しい、好きな人からの連絡が待ち遠しい、彼氏とお揃いのコーディネイトをしてみたいなど、そういう感覚や感情っていつの時代も変わらないんだなと思いました。

 

この夏からはシーズン4が始まる同番組、これから番組が目指すところを最後に伺った。

 

横山:全国各地のティーンがみんな知っているくらい、さらに認知度を高めたいですね。理想は、ティーンの日常会話の中で「あの人、オオカミくんじゃない?」と話題にしてもらえるくらい、“オオカミくん”が浸透したらうれしいです。

 

『オオカミくんには騙されない』ほか、AbemaTV全体としても視聴者ターゲットを広げて、恋愛リアリティーショー番組が今春から4つスタートする。それぞれが番組のカラーを打ち出し、戦略的に巻き込む部分と偶発的なことを活かす部分を持ち合わせて企画を作っていくことは、ティーンを巻き込むために大事なことなのだろう。

 

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ライター:羽佐田 瑶子
日本文化と食と寅さんを愛する87年生まれのライター(@yoko_hasada)。神奈川県出身。伝統文化、工藝、アイドル、映画など伝統文化からサブカルチャーまで幅広く執筆。Quick Japan、しごとなでしこ、SENSORSなど。好きなものは、美しくてロマンチックなもの(短歌や岡崎京子や日本民藝館)。生息地は下北沢と鎌倉。
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