【後編】ドコモ流、若年層を囲い込むプロモーション戦略に迫る!

10代のトレンド ティーンに認知拡大

年明け、『盛ルバム』という言葉がSNSを中心に話題となり、LINE NEWSやモデルプレスなどティーンに人気の媒体で数多く取り上げられた。

『盛ルバム』とは、NTTドコモが動画コミュニケーションアプリの『SNOW』とコラボレーションした、10代向けの学割キャンペーンで発したキーワード。

今回は本キャンペーンを担当した、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)プロモーション部の深田大介氏に、キャンペーンの誕生秘話を中心に、ドコモが考える若年層を囲い込むプロモーション戦略について伺った。

 

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【前編】ドコモ流、若年層を囲い込むプロモーション戦略に迫る!

 

 

■話題のフックをつくるには「つっこみどころ」と「共感」が大切

様々な若年層向けのプロモーションを行ってきたドコモ。デジタルメディアで「またドコモがやらかした」と話題のフックをつくるために、重要なことが2つあると深田氏は話す。

 

 

深田:1つ目は、つっこみどころをつくること。馬鹿馬鹿しいな、感動する、変だなど、「なにこれ、おかしいよね!」と10代の子につっこまれるような、いい意味で違和感のある企画になっていることで、SNSの拡散につながります。マスでは難しいことも、ネットでは思い切ってやってみます。

 

 

深田:2つ目は、共感を生むポイントを企画の中にちりばめること。今回であれば「卒業アルバムは黒歴史だ」というインサイトを軸に、最後くらい盛らせろという共感ワードをティーンの同世代の子に発信してもらうことで、より共感しやすい土壌をつくりました。

 

2つの視点を組み込んだのが、卒業“盛ルバム”第二弾『#盛って、もっと、盛り上がろう!』だ。

 

 

深田:第二弾では、誰でもデジタル版“盛ルバム”を作れるデジタルジェネレーターを公開。その訴求として東京パフォーマンスドールによるレベルの高いダンスをワンカットで撮影し、歴代の盛れるポーズをさかのぼっていく動画をつくりました。技術的なトピックスと、てへぺろやWピースなど、“懐かしい”“やってたね”などと話のネタが広がるようなストーリーが入っていたこと、いろんな角度で拡散されるように戦略を立てたことで、話題につながったと思います。動画再生回数23万回以上(2017年3月6日時点)。

 

 

また、どうやったらもっと盛れるのか、投稿型でもアイディアを募集した。SNOWのSTORYをつかい、第一弾と同じく、りこぴんさんや本田響矢さんにも発信してもらったことは、改めて共感の土壌づくりとなった。

 

■全方位的にプロモーションをするのがドコモ流

しかしネットは思い切ったことができる分、リスクもあると深田氏は答えた。ではそういったリスクを回避するために、どのようなことに気をつけるべきか。

 

 

深田:見ている方が、不快になるようなことはやらないように気をつけています。

間接的に人を誹謗中傷してしまっていたり、長い動画をつくってしまうことで視聴する事を苦痛に思わせてしまったり。経験を重ねないとわからない感覚的なものではありますが、この人から見たらこう思われるかもしれない、といろんな観点で物事を考えて最善の注意を払うようにしています。話題になることととのの、バランスが非常に難しいと思います。

 

1人1人が拡散力をもつ時代。自然発生的に話題になっていくため、一瞬で悪いことも広まるリスクもある。だからこそウェブとマスメディアの特性をとらえ、全方位的にプロモーションをするのがドコモ流だ。

 

深田:マスメディアで伝えることと、デジタルメディアで伝えることは違います。またやれることも違う。ティーンは特に、スペックではなく「ドコモってなんかいいよね」という支持を得るためのイメージ戦略がスタートとなります。マスで攻めたことは中々できませんが、ウェブならと思い切ったことをしてみますね。

 

マスとウェブ、両者の特徴をうまくとらえ、単発ではなく様々な施策を実施して全方位的にプロモーションをするのがドコモ流だと深田氏は話す。

現在はモバイルのアプリを通してd系サービスを提供する塚本氏も、同じく全方位的な戦略が基本にはあると話す。

 

 

塚本:正直、料金プランやNWサービスはすぐにキャッチアップされるので3大キャリアに大きな差はありません。長くお付き合いをしてもらうためにはスペックの価値だけではなく、総合的にみて幅広いお客様に向けて魅力的な体験価値を提供し続けていかなければなりません。ですので、dマーケットではdマガジンやdTVなどのエンタメコンテンツはもちろん、最近ではdフォトなど、多くのお客様に価値を感じてもらいやすいサービスを提供し、コンテンツ起点のフックをたくさんつくり、様々な方向からドコモの魅力に触れてもらえるきっかけを届けています。

 

ティーンは「重要な世代」と話す深田氏。デジタル中心のティーン向けのプロモーションで大事な、そこで話題になるには?を企画のスタートに据える。

 

深田:ネットではリスクを考えつつも、その企画が10代の方におもしろいと思ってもらえるか、話題になるか、心の琴線に響くかどうか考えて思い切ったことをやるようにしています。

その時にはもちろん彼ら彼女たちのインサイトを考えるようにしますが、わからないことも多いので考えすぎないこと。100点はとれないけど合格点はとれるように、10代の子たちと一緒に考えて柔軟にチャレンジするようにしています。

 

長く10代のプロモーションを企画してきた深田氏に、最後にティーン向けプロモーションのおもしろい点について伺った。

 

 

深田:よくも悪くも、想像つかないところがおもしろいですよね。人と違うようにみえて、実は似たようなものが好き。自分を持っていそうで、実は流行に流されやすい。何か流行ればそっちにすぐにいってしまう。10代はいろんな可能性を秘めている分、ちょうど人格形成される時期なので、ここできちんとブランドイメージを伝えていくことはとても大切だと思っています。

 

様々な施策を実施し、コアとなるキーワードを軸とした戦略を決めて全方位的にプロモーションをする。ティーンのインサイトをとらえつつも、時には思い切ることで「なんかドコモっていいよね」という10代の空気感をつくることは、これからも変わらない考え方であろう。

 

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【前編】ドコモ流、若年層を囲い込むプロモーション戦略に迫る!

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ライター:羽佐田 瑶子
日本文化と食と寅さんを愛する87年生まれのライター(@yoko_hasada)。神奈川県出身。伝統文化、工藝、アイドル、映画など伝統文化からサブカルチャーまで幅広く執筆。Quick Japan、しごとなでしこ、SENSORSなど。好きなものは、美しくてロマンチックなもの(短歌や岡崎京子や日本民藝館)。生息地は下北沢と鎌倉。
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