【後編】“ヒトを中心に情報を拡散する”インフルエンサーマーケティングで10代の心をつかむ

10代のトレンド

インフルエンサーマーケティング──ソーシャルメディアで多くのフォロワーを抱える情報発信力の高いインフルエンサーを活用し、イベントやPRなど様々なプロモーション活動を行うこと。ヒットを仕掛ける新たなマーケティング手法として、注目を集めている。その先駆者的な存在が、「LIDDELL株式会社」の代表取締役・福田晃一氏だ。ティーンマーケットでも重要なソーシャルメディア、その活用方法とインフルエンサーマーケティングの未来を伺った。

 

前編を見逃した方はこちら↓

【前編】“ヒトを中心に情報を拡散する”インフルエンサーマーケティングで10代の心をつかむ

 

■3つのポイントは「共感、共創、共有」

インフルエンサーマーケティングの主役はやはり女性。彼女たちとマーケティングをするには、彼女たちの行動特性や思考を理解し、彼女たちを巻き込めるような面白い企画力が大切。インフルエンサーマーケティングとティーンマーケティング、どちらにも共通して「3つのポイントがある」と話してくれた。

 

福田:3つのポイントは共感、共有、共創です。

これ買えこれ見ろこれ良い!」という押しつけは響きません。“共感”が生まれると自分ごと化され、周りに“共有”したくなる。そういった企画を生むためには、共創最も重要です。

 

“やってみた”動画が流行っているように、工夫とアイディアで自分ならではのものを創れることは、共感や共有を生みやすくする。

 

福田:3つ目の共創───創意工夫ができる余地があり、一緒に創っていける参加体験ものは彼らの心をぐっとつかみます。

ティーンの生活を想像すると、使えるお金の範囲は少額と限られてくるでしょう。お金はないけど、遊ぶ時間はありますよね。昨年、エビアンのペンケースや黒板アートが流行ったように、SNS上でおもしろがってもらえるものを表現したい、という創意工夫意欲が強いのが特徴です。その意欲を掻き立てられる場所、物を渡して、考えてもらうことは重要です。

 

共創のベースをこちら側で作れれば、共感と共有は生まれやすい。20代に比べて、ティーンのエンゲージメントが高いことに驚いたと福田氏は話す。

 

福田:20代のソーシャルメディアのエンゲージメントが10%なら、ティーンは15%くらい。エンゲージメントって、実はモデルやタレントは低いです。それは自己表現が少ないから、対してアーティストはライブなどの体験コンテンツを通して、CDやライブグッツなど創意された物を創るので、ファンとのつながりが強くなり易くエンゲージメントが高い。女子高生はアーティストのSNSに似ていると思います。

 

■インフルエンサーのクラフトマンシップを重視することが、インフルエンサーマーケティングに重要なこと

共創を生むインフルエンサーも女子高生も、自分たちが創るものにこだわりを持つ職人だ。彼女たちの“クラフトマンシップ”が、より強固な横のつながりのあるコミュニティを作り、拡散効果も高くなる。

 

福田:よく企業様が「顔の横に商品を置いて撮ってほしい」と指示をしたり、既存の写真素材を渡してきたりしますが、これは絶対にダメです。

僕が皆さんによく言うのは、VOGUEやPopteenなどブランド個性を持つ雑誌と編集タイアップするのとインスタグラムのインフルエンサーとタイアップするのは同じだと。雑誌に色があるように、インフルエンサーにもそれぞれの世界観があります。インフルエンサーは自身の世界観を作るために、写真や動画を何十枚も撮り、何時間もかけて加工し、加工するフレームやフィルターに数万円払っているインフルエンサーもいる。その熱意はまさに職人です。そしてフォロワーは、その世界観に共感し憧れるのです。

 

福田:クライアントからこうしてほしいと押し付けることは、せっかくの世界観を台無しにしてしまう。

僕らも、主要ハッシュタグや大まかな発信内容は決めますが、それ以外のクリエイティブはすべてインフルエンサーにお任せ。お金ではなくて、自分の興味関心を刺激されるものならばインフルエンサーも創造を膨らませてユニークな発信を前のめりにしてくれます。彼女たちと一緒に創るためにも、任せることが大切です。

 

彼女たちを巻き込むためには、どのようなお題を与えることが重要なのか伺った。

 

福田:今風に言うと“エモい”(感情が高ぶった時に使う言葉)ことが大切です。男性がスペックや機能で物をとらえるのとは逆に、ソーシャルメディアの特にinstagramメインユーザーである女性は「可愛い・綺麗・美味しそう」と直感的に、エモーショナルに物をとらえます。さらに、最近の子たちは妄想癖が強い。直感が触発され、もっとこうした方が可愛くなれる!というような、想像力を刺激する企画がよいと思います。

 

ティーンマーケティングをする上で、3つのポイントやエモさのように“概念的な特性”は変わらないが、市場動向やツールは時代によって変わっていく。特性を理解したうえで、時代にあったマーケティングをすることの重要性を福田氏は最後に話す。

福田:ティーンといっても、女子高生ではターゲットが広すぎますよね。女子高生の中でも、今の時代は誰がトレンドを作っているのかセグメントをする。セグメントされたトレンドセッターであるピラミッドの上の子たちと組むことは、話題づくりに重要ですまた、活発に使用される

SNS、趣味嗜好の変化によって使われ方が変化してきています。大人はアルバム的にSNSをとらえていますが、今のティーンはシェアする手段としてとらえている。これからは、Instagram StoriesSnapchatのように“消えるメディア”が主流になっていくのではないでしょうか。会話のようにすぐ消える方がリアルに近いですよね、アーカイブは現実ではない。3分後には消えてしまうLINE風のメッセージアプリなどがあると、面白いのかもしれませんね。

 

インフルエンサーマーケティングが注目されつつあるように、それに似ているティーンマーケティングもより話題になっていくのではないかと、話を続ける。

 

福田:発信の手段は変わっても、性格的な根本部分は僕たちの頃とあまり変わらないと思います。そういった特性を活かすと、ティーンは純粋なのでブランドの浸透をさせやすい。ブランドをメッセージングする、僕が個人的に1番いいと感じる年齢は19歳。大学や社会人になる年齢で、環境もがらりと変わり、お金の余裕や環境的な意味で世界が急に広がる年齢だからブランドチェンジが起きやすいと思います。

 

“個”がますます強くなっていく時代、インフルエンサーのクラフトマンシップはより多くの方々に影響を与え続けることになるだろう。ティーンマーケティングで重要な市場への理解。そのためには押し付けるのではなく、流行りを柔軟にとらえ、共感・共有・共創という“共につくっていく”マーケティングが非常に重要であると感じた。

 

 

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ライター:羽佐田 瑶子
日本文化と食と寅さんを愛する87年生まれのライター(@yoko_hasada)。神奈川県出身。伝統文化、工藝、アイドル、映画など伝統文化からサブカルチャーまで幅広く執筆。Quick Japan、しごとなでしこ、SENSORSなど。好きなものは、美しくてロマンチックなもの(短歌や岡崎京子や日本民藝館)。生息地は下北沢と鎌倉。
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