SNOWと男子高生ミスターコンの10代を巻き込むストーリー術【後編】

10代のトレンド ティーンでPR ティーンに流行 ティーンに認知拡大

『男子高生ミスターコン』というイベントをご存じだろうか。

 

日本全国から我こそは、というイケメン男子高生を募集し『にほんいち、かっこいい男子高生』を決めるコンテスト。2016年12月に行われた決勝大会での総投票数は36万票、SNOW LIVEの視聴は3配信で計1880万以上、全国ネットのニュース番組でも取り上げられるなど、大きな話題となった。

 

男子高生を巻き込んだプロモーションで成功をおさめた稀な事例。その仕掛け人は『女子高生ミスコン』も主宰する株式会社エイチジェイ(以下、HJ社)と、高校生に大人気の動画コミュニケーションアプリ『SNOW』の日本エリアを運営統括しているSNOW JAPAN(以下、SNOW社)だ。今回はイベントを取り仕切ったHJ社の宮城氏とSNOW社の崔氏に話を伺った。

(前編はこちら→「SNOWと男子高生ミスターコンの10代を巻き込むストーリー術【前編】」)

 

■男子高生ミスターコンで設計した、10代が参加したくなる演出とは?

男子高生ミスターコンというコンテンツをより魅力的に感じてもらう為に、小さな演出を積み重ねることで、一連のストーリーを描いた。

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宮城:エントリー時は男子高生をターゲットに、SNOWを使うだけでなく、今男子高生から絶大な支持を受ける美容院「OCEAN TOKYO」さんと組んで、オシャレに興味関心の高い男子高生に向けてプロモーションをしました。

 

崔:対して面接審査、SNS審査では男子高生ミスターコンにエントリーした子たちに自発的に発信してもらうことで、男子高生ミスターコンを盛り上げてくれる女性ファンの獲得にもつながっていきました。SNS審査──SNOWやTwitterでの応援メッセージやリツイートの数を投票としたため、彼らもSNOWで撮影した動画を投稿するなど、彼らなりに工夫して様々な方法で積極的にプロモーションをしてくれました。

 

さらに学生人気の高いインターネットテレビ局「Abema TV」でのレギュラー番組や密着生中継番組の放送、ウェブメディア「モデルプレス」で定期的に情報を発信するなど、高校生たちと親和性の高い媒体を巻き込んでいった。

 

宮城:僕らの時代とは違って、今の子たちは小さなときからインターネットに触れているので、何が広告かすぐに判別できる敏感な世代です。自分たちに押し付けられている、違和感を覚えるものは馴染んでもらえません。違和感をなくすためには親和性、つまり日常生活に欠かせないものを通してストーリーを伝えることで、10代の子たちも参加したくなるのだと思います。

 

崔:市場調査や分析で理屈を並べるのは簡単ですが、10代の子たちの感性を本当に理解できる大人は、ほぼいないと思います。ですので、大人がわかったつもりでやってもダメ。10代向けのプロモーションを成功させる可能性を高めるためには、彼らの言葉、彼らの表現で彼らから発信してもらうことが大切です。

 

男子高生ミスターコンという大きな物語の中に、ストーリー=道筋をつくっておく。しっかりと道筋さえつくっておけば、彼らはその中で自由な表現をしていく。それがコンテストの新たなストーリーとなり、より魅力的に、より盛り上げていく要素となるのだろう。

 

■男子高生よりも女子高生向けプロモーションの方が難しい

ストーリーを描けたことで知ったこと、それは「男の子がこんなにも女の子に影響力があるのか」と再認識したことだったと宮城氏は話す。女子高生ミスコンのファンは“同性”が中心なのに対し、男子高生ミスターコンでは“異性”がファンとなりイベントをより盛り上げた。男女両方のコンテストを運営・実施した立場からみて、男子高生向けと女子高生向けではプロモーションのやり方は違ってくるのか?

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崔:男子高生向けのプロモーションをやったことがない人が多いので難しいと思われがちですが、ハードルでいうと女子高生の方が難しいと思います。男性は10~50代くらいまでは興味のあるものがあまり変わらないんですよ(笑)でも女性は男性よりも流行り廃りが早いし、スカートの長さの加減のように世代間の“感覚”によっても左右されます。なので、女子高生向けにプロモーションする場合はいろんな角度から、立体的にトライしなければならないと感じます。

 

宮城:大きなくくりでみれば10代の男女に差はなく、男女関わらずSNSで自分の写真を投稿するし、自分のファンと交流している。時代によって方法は変わりますが、思春期の頃の本質的な思考はどの時代も男女同じだと思います。

 

思春期の頃の本質的な思考、それは“モテ”だと2人は話す。

 

崔:時代が変わっても、10代の時に考えることは変わらないと思います。やっぱり思春期は異性が一番気になる。つまり“モテ”です。今の子たちは、モテたいと直接は言いませんが、自分をよく見せることを一番気にしている時期です。

 

宮城:自分をよく見せることにお金をつかう傾向がありますよね。ブランド物を持つことがステータスだった世代とは違います。10代の間で盛れるSNOWが流行っているように、キレイに対しての美意識が高い。なので、自分をよく見せる手段として美容にお金を使う傾向が今きています。

 

崔:SNSの使い方が年々変わり、誰もがインフルエンサーになれる時代です。だからこそ肌や歯並びなどSNSに映る自分を良く見せる事、マジックテープの財布を使っていたとしてもハワイに行って写真を撮ってSNSにアップする事など、自分のSNSに発信力を持たせる事にお金をかける思考が強くなります。そういった思考を考えると、海外旅行やエステ、ネイル、究極的な贅沢として美容整形が流行る気がしています。

 

■方法よりも“本質”を見極める

見せ方にこだわる傾向があるティーン。そのプロモーションで大事なことは“本質”を見極めることだと2人は最後に話した。

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宮城:弊社の代表からよく言われるのは、「自分がその年齢だった時どんなことを考えていたか思い返そう。」ということです。時代が違うので方法や表現は変わっても、本質的な思考は同じ。特に10代の頃はおもしろさありきなので、その気持ちに立ち戻ってプロモーションを組み立てるようにしています。

 

崔:インフルエンサーを起用したプロモーションでの価値をフォロワー×いくら、という指標の出し方はもうやめよう、と僕はずっと言っています。理由は本質的ではないから。影響力のある人=フォロワー数、それって本当なんでしょうか?数ではなく、本当に影響力があるかどうか、本当にティーンにささるのかどうか。本質を見極めた上で投資をするべきで、10代向けのプロモーションに方程式はありません。

 

広告をすぐに見抜いてしまう世代と前述した通り、情報感度の高いティーンは、違和感が生じると伝わらなくなってしまう。

「プロモーションをプロモーションという限定された枠の中だけでとらえず、ティーンと親和性のあるストーリーから組み立てること」。10代向けプロモーションを成功させるカギはここにあると感じた。

 

 

(前編はこちら→「SNOWと男子高生ミスターコンの10代を巻き込むストーリー術【前編】」)

 

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ライター:羽佐田 瑶子
日本文化と食と寅さんを愛する87年生まれのライター(@yoko_hasada)。神奈川県出身。伝統文化、工藝、アイドル、映画など伝統文化からサブカルチャーまで幅広く執筆。Quick Japan、しごとなでしこ、SENSORSなど。好きなものは、美しくてロマンチックなもの(短歌や岡崎京子や日本民藝館)。生息地は下北沢と鎌倉。
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