ティーン向け人気イベントの仕掛け人にインタビュー!ティーンの心のつかみかた【後編】

10代のトレンド ティーンに流行

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2016年3月、ティーン向けのファッションイベント「超十代」が行われた。初開催にも関わらず、1日で約10万ツイート、Yahoo! JAPANの画像検索では10年以上実施されている東京ガールズコレクションや神戸コレクションを抜き、約167万件が表示されるほど盛り上がりをみせた。「ティーンマーケットは正しく伝えれば、新しいムーブメントをつくれる」と、イベントプロデューサーの平藤真治氏は語る。デジタルネイティブの彼女たちとつくる、新たなティーンマーケットの未来とは?

 

 

■ティーンの心をつかむために大事なこと「自分ごと化」「一体感と特別感」「自由」

10代の子たちのインサイトをつかむためには、「自分ごと化」「一体感と特別感」「自由」の3つが大事だと平藤氏は話してくれた。

 

平藤:ショーだけでなく、体験コンテンツをたくさん用意したのは「自分ごと化」を意識づけるため、見るだけでなく参加してもらうためです。「一体感と特別感」は、カテゴライズを好む十代がグループ同士で盛り上がれるようにしました。また行動半期が限られて窮屈なことを嫌う彼女たちには、様々なステージでイベントが同時並行に行われ、フェスのように自分たちで選べる「自由」があることも大切です。

お手本にしたのはテーマパーク。パレードやアトラクション、いろんなコンテンツが同時並行に行われ、自分で選んで参加できるのが楽しいはずです。

 

また、出演者にも「自分ごと化」を徹底した。様々な分野で活躍する“すごい十代”を「超十代実行委員会」とし、十代が創る十代のためのイベントとして、一緒にコンテンツをつくった。

 

平藤:例えば、藤田ニコル(にこるん)は「ファッションショーがやりたい」という話でした。彼女がやりたいことを徹底的にかなえようと、大人のプロを総動員。音楽、スタイリング、モデル、映像、すべてをにこるんに考えてもらい、それらを具現化するためにプロたちが必死に動きました。想いがつまったショーに、にこるんも「自分ごと化」してもらえたんだと思います。普段出演するイベントより多く、ツイートをしてくれました。出演者それぞれに役割を担ってもらい自分ごと化してもらいました。

 

 

■押し売りはNG ステマやTwitter広告は2秒でわかる

提案力がうまいブランドや企業とつきあってきた平藤氏に、ティーンにプロモーションをするうえで気を付けるべきことをうかがった。

 

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平藤:僕は十代の中に飛び込んで、新しい価値観を受け入れて、その中で彼女たちと一緒にマーケティングをするのが大切だと思います。その時に、押し売りは絶対ダメです。

デジタルネイティブの十代の子たちは、ステマや広告は2秒でわかります。また発信側の子たちにスポンサー広告として費用を支払って投稿することも難しくなってきています。それは、自分たちのファンに嘘をつくことになるから。いいものを正しく伝えたらトレンドセッターの子たちが波及してくれて、さらにフォロワーの子たちが拡散していきます。

 

押し売りを嫌う十代は、検索手段も変わってきていると平藤氏は話します。

 

平藤:SEO対策がされているという理由で、最近は一般の子たちがつぶやく情報なら広告もやらせもないとTwitter検索をする子が増えています。正しい方法で伝えないと信じてもらえない、ということを肝に銘じて、伝え方を考えないといけないですね。

 

 

■十代のインサイトに飛び込んで、彼女たちの声をきいて、一緒におもしろいものを作る

難しいと言われるティーン向けプロモーションだが、すごい十代に何人も会い、マスではなく訴求力のあるコアを狙うことで0から新しいムーブメントをつくれると、平藤氏は語る。

 

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平藤氏:十代の中でも、光っているモノを持っている子たちが何人もいました。彼女たちの発想力は豊かだし、おもしろい、彼女たちがこれからの未来をつくっていくと思います。コアとなる彼女たちのインサイトに飛び込んで、言葉をもっと聞いて、一緒におもしろいものをつくれたら、ティーンマーケットはそこから波及していくはずです。

 

トレンドセッターである「超十代実行委員会」では、次回開催に向けて様々な施策を企んでいる。

 

平藤:新しく部活を始めます。「超ギャル部」では池田美優を部長に、ギャルファッションやメイクを勉強。彼女自身もギャル文化を伝承していきたい気持ちが強いので積極的に関わってくれています。

 

他にも「超スニーカー部」や「超古着部」など様々な部活が発足。部活内では特別なコラボレーションが行われ、企み見たさにフォロワーが続々と増えている。

 

平藤:企画に1年以上かかるものもありますが、やるなら徹底的に。人気のファッションやアプリ、いろんなものを柔軟に融合して、おもしろいものを正しく伝えたら必ず反応してくれる、それがティーンにプロモーションをするおもしろさだと思います。

 

また「ティーンマーケット=エントリーへリーチすることの重要性も感じる」と平藤氏は話す。

 

平藤:ネット社会の中で目利きのきく十代の子たちの懐に入るには、スタートが大事。これから主役になっていく彼女たちの価値観は早めに出来上がってしまいます。彼女たちが20代、30代になっても受け入れてもらうためには、より早くリーチしておくことが将来につながるのだと思いました。

 

超十代では、「私たちが主役」ということを声高に言った。それはイベントを通して、十代の勢いと将来性を感じた平藤氏らしいキャッチコピーである。最後に、ティーンマーケットに期待することをうかがった。

 

平藤:ティーンマーケットはSNSの波及力も勢いがあるし、光るものをもっている子も多い。彼女たちとなら0から新しいムーブメントをつくれる、魅力的な市場だと思います。ティーンの子たちと一緒に、新しい時代をつくりたいです。

 

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小手先の手法や手段にとらわれず、ティーンと共にアイディアの基を考え、大人たちの力でそれらを実現していくことに愚直に取り組むその姿勢は、学ぶべきところが多いと感じた。

 

 

(終わり)

 

インタビュー【前編】を見逃した方はこちら↓↓

ティーン向け人気イベントの仕掛け人にインタビュー!ティーンの心のつかみかた【前編】

 

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ライター:羽佐田 瑶子
日本文化と食と寅さんを愛する87年生まれのライター(@yoko_hasada)。神奈川県出身。伝統文化、工藝、アイドル、映画など伝統文化からサブカルチャーまで幅広く執筆。Quick Japan、しごとなでしこ、SENSORSなど。好きなものは、美しくてロマンチックなもの(短歌や岡崎京子や日本民藝館)。生息地は下北沢と鎌倉。
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