【高校生の進学意識調査】進学、部活にコロナが与える影響とは?
新型コロナウィルス感染拡大による外出自粛が緩和されてくる中、進学や学校生活に関する意識調査を高校生を対象に実施しました。
卒業後の進路は「進学」希望が88.9%
88.9%の高校生が進学を選択しており、残りの12.1%が就職やまだ決まっていないなどの回答結果になりました。
志望校の情報収集TOPは「学部」65.8%
回答対象者:前問の就職選択者以外
最も高い結果となったのが学部(65.8%)でした。
続いて、私立・公立(国立)が63.2%、学校の偏差値61.3%という結果になりました。
この上位3つは学校で志望校や志望学部を伝える際や模試、塾での希望進学先などで普段から気にしているポイントかと思われます。
その他上位にランクインしているのは、学校の場所(56.8%)、学費(46.5%)、学校の雰囲気(45.2%)という結果になりました。
こちらは学生の気持ちや家庭の方針などが影響してくる範囲かと思いますが、優先度としては1番手に進学難易度、2番手には学習環境や経済性などの要素が重要視されているようです。
志望校へ行くための対策は、十分にできていない印象
※回答対象者:就職選択者以外
志望校の情報収集は約49%の人が「できている」と回答している一方で、「対策ができている」と感じている人は約24%にとどまる結果となった。授業が受けられないことや塾へ通えなかったことにより、自信を無くしてしまっているようにも感じます。
コロナの影響で不安が増したことTOPは「学校行事」について
「学校行事が行われるか」や「友人との交流」について不安に思っているようです。
また、学習環境や将来について相談ができる環境が整っていない状況の高校生が多いのか、勉強や将来に関する不安要素も多く抱えているようです。
その他にもコメントがあり、特に「学習」「進学」「友人関係」が大きく影響されているようでした。
以下、コメント抜粋。
【学校行事を不安視する意見】
- 修学旅行などの行事がなくなるかもしれないこと
- 最後の文化祭だからどうしてもやってほしいが、あるのかがわからない
- コロナウイルスの関係で体育祭や修学旅行などのイベント行事が無くなること
- 文化祭もなくなったのでこの1年間全部行事がなくなってしまうのではないのか
【友人関係を不安視する意見】
- 高一になったので知らない人ばかりで友達が出来ないこと
- クラス替えがあったのでクラスメイトと、仲良くなれるのかっていうこと
- 学校がなかなか始まらなかったり、分散登校をしなければいけなくなり友達ができるか不安
- 休校期間中にSNSで親しくなっている子が多く、もうグループができてしまっていないか不安
【勉強不足を不安視する意見】
- 授業について行けるか
- 学力が著しく落ちていないかということ
- 学校のカリキュラムが無事、高2終了までに終わるのか。
- 3ヶ月も授業受けてなく、勉強もあまりできていないので学力が低下しているのではないか。友達や先生に会えない日が続く中、自分の勉強に対するモチベーションを維持できるのか
【受験を不安視する意見】
- 新試験の概要が発表されるのが遅かったり、9月入学についてなど今年の高3の題は振り回されすぎているなと感じ、受験に不利だなと思います
- 模試が無くなったり延期したりしていて、受けれていないのが不安。また、自粛期間中に周囲と差がついている気がして心配
- 周りの受験生の学力と自分の差を判断する模試が在宅受験になっていて、全員が真面目に受けてるとは思えないから基準となるものがわからないこと
部活の再開願望は高いが、モチベーションは低下傾向
※回答対象者:部活所属者(運動部34.6%、文化部32.1%)
部活に対する意識は、「早く再開してほしい」と思っている高校生が61.1%いる一方で、「以前よりもやる気が高まっている」と回答した人は15.7%となっており、全体的にモチベーションが低下傾向にあることがわかります。
現在の部活に対する思い(コメント)
※回答対象者:部活所属者(運動部34.6%、文化部32.1%)
しばらく部活動も自粛を余儀なくされた高校生ですが、活動休止中で感じたことやこれからの活動に向けたモチベーションや思いなど、様々なコメントが集まりました。
特に印象的なのは、運動部系の高校生であれば「体力」や「スキル」に課題を感じている一方で、全国高等学校総合体育大会が中止されるなど、普段であれば高校3年生は大会後に引退をするところを今年は自粛中に引退を余儀なくされる場合は、引退辞退したことになっているのかわからないという曖昧な状態が続いていることでした。
また、部活動の運営課題として部員不足や活動不足があるようで、不安に感じることがあるようです。
【ポジティブな意見】
- 廃部寸前だから早く再開して部員を増やしたい
- 1日1日の練習を無駄にしないように頑張りたいと思います。また、試合はなくなってしまったけれども、仲間と楽しく良い思い出を作りたいです
- 休校期間中は全く活動出来ていなかったから、その遅れを取り戻すように頑張っていく
- 体力を戻せるように頑張っていきたい
【ネガティブな意見】
- 総体もなく引退になってしまい残念
- 進級してから1度も部活に参加しないまま引退してしまうのかどうかわからないため複雑な気持ち
- 高3最後の大会がなくなってモチベーションが下がって、今まで遊べずに部活ばっかり頑張ってきたのは何だったんだろうと思う
【今後の活動に不安を感じている意見】
- 体力がなくなってきてるから、ちゃんと部活で追いつけるかが不安
- 受験とあと少しの部活のやりたい気持ちと不安で挟まれている
- なにもできずに引退になってしまいそうでとてもこわい
- 茶道部なのですが、部員が集まって飲食するとコロナの心配があると先生方に言われ、活動ができなくて悲しいです
- 3ヶ月間、学校が休みになって、部活も休みになって、やる気がなくなった
- しばらくやってないので自粛前のスキルに持っていくのにどのくらいの時間がかかるのか不安
まとめ
約9割の高校生が進学を望んでいますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により「学習」や「相談」ができる環境や適した環境を作りづらいことが顕になりました。
特に、受験対策に関する不安要素は多く、志望校の情報収集はできているが対策までには至っていないという高校生が多いようです。
また、部活動に関しては「活動再開に向けて」前向きな意見がある一方で、「強制引退」や「体力不足」・「活動の継続不安」などネガティブな意見も目立つ結果となりました。
【調査概要】
対象:15-18歳の高校生(マイナビティーンズ会員)
調査期間:2020.06.03–2020.06.11
調査方法:インターネット調査
回答数:162件